2026/08/17 10:20


ある朝のことです。

いつものように洗面所へ向かった私は、凍りつきました。


テラヘルツブロワーが、ない。


置き場所は決まっています。

洗面台の右側。

タオルの横。

そこに、ない。



私は冷静を装いながら、周囲を見渡しました。


引き出しを開ける。

閉める。

もう一度開ける。

……ない。


まさか。

昨夜、旅行バッグに入れっぱなしだったのか?

寝室へ向かい、バッグを確認。

ない。

リビング。

ない。

ソファの隙間。

ない。


私はだんだん落ち着かなくなってきました。

その様子を、妻がコーヒーを飲みながら見ています。


「どうしたの?」

私は平静を装いました。

「いや、別に。」

しかし声が少し上ずっています。


妻はニヤニヤしています。

「探し物?」

私はついに観念しました。

「……ブロワーが見当たらない。」



すると妻は、待ってましたと言わんばかりに笑いました。

「やっぱり。」


そして、クッションの後ろからテラヘルツブロワーを取り出したのです。

私は思わず叫びました。

「なんでそんなところに!?」

妻は肩をすくめます。

「今日は私が先に使いたかったから。」


……やられました。

完全に、やられました。


私はブロワーを受け取りながら言いました。

「隠すのは反則だよ。」

すると妻は、あっさり返しました。

「肩は反則って言ってた人が?」

第3話のタイトルが、ここで返ってくるとは。


一本どころか、二本取られた気分です。

その日の夜、私は肩に温風を当てながら深く反省しました。


テラヘルツブロワーは、もはや美容機器でも健康アイテムでもありません。

夫婦の駆け引きを生む存在になっていました。



次回予告(笑)

テラおじ日記⑨ ついに、妻専用機がやって来ました。

そしてテラおじは気づきます。

「これで自由に使える!」

……と思ったのも束の間、さらに新しい問題が始まるのでした。